或るタイの少年の話

昨日、通訳を依頼して来たタイ女性(41歳)は病院で9年間、ケア・マネージャーとして働いた経験が有るので、いろいろな死に接して来たそうだ。その彼女から、次なる話を聞かされた。
 8歳の少年の命が尽きようとしている。家族ももうあきらめていた。最後に何かやりたいことはないかと少年に尋ねると、窓から見えるセブンイレブンへ行ってお菓子が買いたいと答えた。そこで、最後の願いを叶えるべく、その少年をセブンイレブンへ連れて行き、思い通りお菓子を買わせた。するとその少年はそのお菓子を道端にいる物乞いの少年達に与え、病室へと戻って行った。そして、数日後、息をひきとった。
 わずか8歳でこのような行為ができるということに、私は驚きと感銘を覚えた。さすが仏教国! ものごころつく頃から、喜捨の精神は浸透している。