断簡零墨

『ある運命について』(司馬遼太郎著 中公文庫 1987)の中に「私にとっての旅」という随筆が所収されている。冒頭を引用すると、こうである。
 私のたのしみというのは、毎日、書斎でうずくまっていることらしい。杜子春が辻で人を待っているように、断簡零墨(だんかんれいぼく)を見、やがてそこから人間がやってくるのに逢う。むろん、無数の場合、逢いぞこねてもいる。いまだにやって来ぬ人もいる。旅には、そのために出かけるようなものだ。
 断簡零墨とは、文章の断片を意味するとのこと。四文字熟語は格調が高い。上手に使えば教養が有るように見える。そして、粋でもある。
 横文字の外国語も大いに勉強しなければならないが、漢字の勉強も大切だ。