大学受験生

 毎年、今の季節の東京は大学受験生であふれている。これまでは傍観視していたが、昨日、親戚の高校生がやって来たので、一緒に試験会場へ下見に行った。すると、試験が終わって会場をあとにする受験生とすれ違った。みんな、自信なさそうな暗い顔。受かっていればそれはそれでよし。落ちても、別の大学で勉強すればいいではないか。
 都内の大学生の数を制限しようという空気があるが、東京には特別なるパワーが潜在しているので、若い者が憧れるのは当然だ。それを制限しようとする動きが問題となっているが、とにもかくにも役人の発想は貧困。なんでも平均化しようとする考えは競争力を奪い、未来の未知数を閉ざしてしまう。
 日本全国から集まって来る若者がせめぎ合い、大学卒業後、それぞれにまた自分が選ぶ世界へはばたいていく流れを消してはならない。