久々の古本屋

 昨日は新宿に出て、手帳とお年玉袋を買った。新宿のビル群ではクリスマスツリーを撤去して、立派な門松を自動ドアの両側に据えていた。一気に年の瀬モードになってきた。
 新宿から早稲田行きのバスに乗り、西早稲田で下車し、古本屋に立ち寄る。久々の古本屋だ。昔の銭湯の番台みたいなところに店主が座っている。客が来ようが来なかろうが、一向に気にしないという堂々たる態度の店主。すべての本にパラフィン紙がかぶせられていて、店主のこだわりが見られる。
 私のあとに一人の男性が入って来た。そして、店主に話しかける。内容は両親が立て続けに亡くなったので、遠いところに引っ越すことになり、最後の挨拶に来た旨の内容が聞こえてきた。だが、店主の口からお悔やみの言葉は発せられず、静かに聞いているだけであった。ご近所さんが一人、二人と去って行く。それでも彼は古本の山の中で、彼の信念で店を守り続けて行くのである。