神田川日記(31)

白菜の葉っぱで滑って背骨を圧迫骨折した高田3丁目のおばあちゃんが退院した数日後、個室から73歳の女性が大部屋にやって来た。彼女の話によると、長年にわたり、自宅で介護していた母親が去年、103歳で亡くなり、その後、無気力になり、コンビニのおむすびかパンばかりでどうにか暮らしていたら、この11月に突然立ち上がれなくなり、入院することになったそうである。介護の疲れと栄養バランスの悪さが原因であろう?
 コンビニの食べ物ばかり食べていれば体がおかしくなるのは当然だ。実は退院して自室に戻ると、机の上にコンビニで買ったロールパンが2個、袋の中に入ったままであった。よく見ると、買った時と同じような照りが表面に見られ、カビが全く生えていない。防腐剤のせいとはいえ、気持ち悪かった。73歳の女性の話が現実味を帯びてきた。
 71歳の男性は、「あと5年くらいで、もう死んでもいいよ」と言う。しかし、女性達は違う。みんな、どんなに腰がいたかろうが、100歳を目指して、ベッドの上で寝ていた。