神田川日記(28)

私の隣りに寝ていたおばあちゃん(92歳位)はどうやら転院させられるようであった。お嫁さんが3人の子供を連れて来たことがある。介護認定士に向かって、子供の世話だけで手がいっぱいだから、おばあちゃんの面倒は看られないことをはっきり言っていた。小学校1年生の孫がおばあちゃんに言った。「おばあちゃん、歯を磨かないから歯が無いんだね。さあ、今からしっかり歯磨きをしてちょうだい」、と。おばあちゃんはただにこにこするだけ。
 そのおばあちゃんが転院したあと、そのベッドに29歳の女性がやって来た。3日間だけという限定付きである。彼女は落ち着きがなかった。丁度、座間事件が発覚した時と同じ頃だったので、私は眠りを妨げられた。彼女はベッドに入るや否や、充電器が無いかどうか看護師に尋ねている。そして、がばっと起きたかと思うと私のところに来て充電器を貸してほしいと言った。人が信じられないというわりには、3日間、ラインをしまくりであった。