神田川日記(2)

車椅子に乗って連れて行かれた病室は6人部屋。カーテンがひかれて見えないようになっていたのでどんな患者さんがいるのか最初はわからなかった。病院は1950年(昭和25年)に創立された病院。相当に古い。壁の色が戦後の変遷を物語っていた。野戦病院に入れられた感がした。だがベッドに寝ている方達は若き兵士ではなくて80代の老女ばかり……。それは看護師やヘルパーさんの会話から想像がついた。私もついに老女軍団に参入したかと思うと悲しかった。
入院生活に必要なものは病院で購入したりレンタルしたりしたので不自由しなかったが、それでも足りないものを列挙して、病院近くに住んでおられる生徒のY子さんにラインでお願いすると、夕方、気持ちよく届けてくださった。あとで分かったことではあるが、彼女のお祖父様が何と40年前に同じく骨折でこの病院に入院していたということを、母親から聞かされたと教えてくださった。奇遇だ。