編物の一進一退

「60の手習い」ということで編物と生け花を始めて早くも10年。編物は家でもどんどん編み進めることができるので、指の運動を兼ねて、棒針を動かしている。目数を数えることは脳への刺激になってよい。
 だが、我れながら上手になったなあと思って慢心した途端、表編みと裏編みが逆さになっているのに気付いた時のショック。さて、どうしたものか。自分が着るのだから、少々のミスは大丈夫。
 しかしながら、それをどうしても許さない自分がいる。そこで大幅にほどきなおすことになる。一度、失敗すれば、自分でも懲りるのだが、数日が経過すると、また同じ失敗を発見。
 こうして、暑い毎日でも、冬のおしゃれを想定しながら毛糸と格闘している。一本の毛糸とはいえ、決して侮れない。蛸の足よりもどんどんからんで来るからだ。編物の「一進一退」とは、「一針一糸」なり。