千年の手わざ

掃除をしていたら、『PHP 平成22年9月号』というのが出てきた。定価200円だから、すぐに捨てても惜しくはないのだが、まあ一応と思って目次を見ると、「ヒューマンドキュメント 千年の手わざ 米沢織職人 十六代 馬下助左衛門さん」というのに目がとまった。この本を買った時、私はこの文章を読んではいない。しかし、今回は目が釘付けになった。
 理由は、最近、着物に関心が出てきたからである。そして、知れば知るほど、着物の素晴らしさに感嘆しているが、伝統的な着物はあまりにも高くて手が届かない。
 米沢織を伝承している馬下助左衛門氏は千年先まで残る布を織っているそうだ。染めた糸は5年~7年の間、寝かせておく。そして、一日に20センチしか織れない…..。気が遠くなる話だ。
 2017年5月も今日で終わり。千年先の3017年って、どんな時代になっているのであろう。米沢で織られた布はそれまで静かに生き続ける。