哀悼のタイ王国(37)

2006年6月9日、私はプミポン国王の在位60周年記念行事のパレードを、王宮前広場近くの沿道から観た。そして、国王の御姿をしっかりと目に焼き付けることができた。夕方5時からはチャオプラヤー河のトンブリ側に設えられた桟敷席で御座船の一大パノラマを観戦。
 帰国後、私は国王がお生まれになられたマサチューセッツ州ケンブリッジへどうしても行ってみたくなった。国王の姉君(สมเด็จพระเจ้าพี่นางเธอ เจ้าฟ้ากัลยาณิวัฒนา)がお書きになられた『แม่เล่าฟัง 母が語りしこと』(บริษัท หนังสือสุริวงศ์บุ๊คแซนเตอร์ จำกัด 1980年初版)を愛読しており、その中に、お生まれになられた病院と住んでおられたアパートの記述が有ったからである。
 「วันที่5เดือนธันวาคม พ.ศ.2470(ค.ศ.1927)น้องชายคนที่สองของข้าพเจ้า พระวรวงศ์เธอพระองค์เจ้าภูมิพลอดุลยเดชประสูติที่โรงพยาบาลเมานท์ ออเบอร์น(Mt.Auburn)ในเคมบริดจ์」
 2006年9月22日、私はMt.Auburn病院へ行った。病院はハーヴァード大学から歩いて7分位のところに在った。受付の女性に「タイ国王のことを取材に来ました。産婦人科の病棟はどこですか?」と尋ねると、「タイのテレビ局から来たのですか?」と、反対に訊き返された。