服のボタン

私はジムトンプソンのコットン生地が好きだ。タイで仕立てたブラウスを、今年の夏も大いに愛用した。なかでも、象柄のものは、「今日も一日がんばるぞう(象)!」という気持ちで着ていた。だが、いつのまにかボタンの一つ(กระดุม ๑ เม็ด)がゆるみ、ぐらぐら。ボタンを落としては大変。何故ならば、替えのボタンを持っていないから。あわてて新しい糸で補強した。
 だが、数日後、別のボタンが落ちているのに気がついた。落ちた場所はわからない。歩いている時に落ちたのであろう。ああ、こうなると、ボタンを新たに買って来なくてはならない。来年の夏にしよう。
 しかし、ぐらぐらになったボタンの糸を補強する時、何故、あとのボタン3個の糸の張り具合も点検しなかったのであろうか。反省材料だ。
 反省した結果、やっとあきらめたところ、洗濯機の中に何かが残っていた。よく見ると、ボタンだ。小さなボタンとはいえ、私に教訓を与えてくれた。「点検は部分的ではなくて、全体にわたってしなさい」