ぽち袋

 今年もたくさんのお年玉を出した。ただし、受験生には「お年玉」というぽち袋は使わなかった。なぜならば、「落とし玉」に聞こえて、縁起が悪いからだ。
 ところで、ぽち袋の「ぽち」だが、これは関西方言で、特にお茶屋遊びに関係していることを知った。「これっぽっちの気持ち」から来ているとのこと。フランス語の「プチ petit」だとばかり思っていたから、いと恥ずかし。
気持ちを表わすということは大切である。それも、さりげなく…..。しかし、そこに<粋な美>が隠されていれば、お洒落、お洒落!
 現代は自分の生活だけで精一杯だから、気持ちを表わすことなど、なかなかできない時代だ。特に、懐(ふところ)具合も潤沢ではなくなって来ているわけだから、無理は禁物。
 でも、何かのかたちで気持ちを伝えたい。さあ、それにはどういう手段を取ればよいか?
 そうだ、言葉だ。機知(wit)とセンス、それに、ユーモアに満ちた言葉の魔術師になろうではないか。