ロシア語劇観劇

昨日、上智大学ロシア語学科の学生達によるロシア語劇「委任状」(N.エルドマン原作)が上智大学10号館講堂で上演された。私の授業を2年間、熱心に受講してくださっているT君が出演するので、激励の意味も込めて観劇した。
 素直に感心した点は、学生の皆さんがロシア語をとちることなく、1時間半、ペラペラとよくしゃべっていたことである。誰か一人でも下手くそであれば、劇は台無しになるが、そういうことはまずみられなかった。1年生から4年生まで仲良く、上手に劇を進行させていった。
 そして、もっと考えさせられたこと、それは、革命を経たロシアの文学は極めて奥が深く、作家の人間観察が幾層にも及んで台詞の中に漬け込まれ、人間の嘘が次から次へとあばかれ、揶揄されていったことだ。植民地化されたことのないタイ、暑い国のタイとは全く違う。ロシアの歴史、文学、芸術、等を真から理解するには相当の時間が要求される。