中秋の名月

 昨晩は中秋の名月であった。目下、休学中のソム(愛称)さんから、写真付きのラインが入った。「仕事の帰りに撮りました。携帯ではうまく撮れていないので、先生、できれば今、空を見てください」
 そこで、ベランダに出て空を仰いだ。そして、彼女にラインを返した。
「お月さま、よく輝いております」
 すると、ソムさんから、「共感していただけて良かったです。一人で見ているのはもったいない」、と。
 彼女は1週間に一回、タイ語通訳のバイトをしておられる。単語がすらすら出て来ない時など、ああ、泰日文化倶楽部でブラッシュアップしたいと思うらしい。
 中秋の名月を意識したわけではないが、先週の中級クラスで、テキストとして、「月は何故、大きく見えるの?」という文章を読む練習をした。
 一般に、月は、「พระจันทร์ (プラ・ジャン)」というが、これはどちらかと言うと、科学的な言い方である。テキストに出てきた月は、「ดวงจันทร์(ドゥアング・ジャン)」であった。「ดวงドゥアング」が丸い形状という意味を有するから、「お月さま」という感じがして、文学的である。
 今晩は、今年最大の満月だそうだ。スーパームーンというらしい。今晩も天を仰ぎ見て、秋の夜を楽しもう。