不思議な話を2つ

昨日、進物用にと思って目白駅近くの煎餅屋へ行った。この店は副業として、時計の修理も行っている、私はもう45年、お世話になっているが、店主は昨年お亡くなりになり、今は息子さんが跡を継いでおられる。
 大きな柱時計に長針も短針も無いのに気付いたので、その理由を尋ねると、新しい店主はこう答えた。
 「親父とともに80有余年、頑張ってくれたのですが、今年の正月、ぱったりと動かなくなってしまいました。親父の死を見届けたあと、時計もこの世とさよならしたわけです。針をはずしているのは、お客さんに間違った時刻を教えたくないからです」
 そのあと、近所の荒物屋さんに寄り、培養土を買った。ベランダの植物に栄養をあげようと思って……。荒物屋の隣りは鳥屋である。閉店してもうかれこれ1年。海外旅行に行く時はいつも鳥を預けていたが、昨年6月に最後の鳥が死んで以来、ペットを飼うのをやめた。荒物屋さんのご夫妻に鳥屋のおばあさんのことを尋ねると、「昨年6月に亡くなられたんですよ」と言った。
 私はそれを聞いてびっくり。何故ならば、私のインコと、お世話してくださったおばあさんが同じ月に亡くなっていたからである。