自然の中の生活

昨日、池袋西武デパート内のリブロで行われている古本市に行った。多くの人が暑さを逃れて、いえいえ、叡智を求めて、古本を物色していた。たくさん買い過ぎると持ち帰るのが重いので、5冊にとどめた。
 そのうちの1冊は、『ソローとアメリカ精神 米文学の源流を求めて』(日本ソロー学会 2012年 金星堂)。ヘンリー・ソロー没後150周年を記念して、日本の米文学研究者達が書いた論集である。
 2006年9月、私はプミポン国王の生誕地を取材するため、ハーバード大学近くの病院へ行ったり、実際に住んでおられたアパートの写真を撮ったりした。そして、ソローが住んでいたボストン近郊のコンコードまで足を伸ばし、レプリカではあったものの、<ソローの小屋>の様子を見、自然を愛したソローの生き方に少しばかり触れてみた。さらには、近隣に住んでいたオルコット(『若草物語』の作者)の家へも行き、彼女の執筆デスクも目におさめた。
 あまりにもスピード化された現代。東京の生活は疲れる。だが、避暑に行く時間が無い。せめて、この本を読んで、「自然なる生活」を取り戻さなければ….。