昨日、『世捨て人のすすめ』(ひろ さちや著 実業之日本社刊 2014年)を買って読んだ。ひろ さちや氏の文章は平易だから実に読み易い。
カバー、及び、奥付に彼のペン・ネームの由来が書かれていて、興味をそそられた。「ひろ」は、ギリシア語で愛するを意味するphilo(フィロ)、そして、「さちや」は、サンスクリットで真理を意味するsatya(サテイヤ)の造語だと知り、洋の東西の総本山をなす言語の両方をうまく取り入れているなあと感心した。
てっきり、「広 幸也」をひらがなで書いたものと思っていただけに、このペンネームの荘厳さをあらためて知った。
作家や文章家でない限り、ペン・ネームは不要だ。使う機会が無いからだ。だが、普段とは異なる自分をもう一人持つには、ペン・ネームをつけて、しかも、ギリシア語、ラテン語、あるいは、サンスクリット、パーリ語から命名すると、思索的な自分を見つめることができそうだ。