若者の20年後・初老の20年前

大学の講義は先週で終わった。あとは学年末試験をして成績を出すだけである。
 そこで、最後の授業の時、成人式を終えたばかりの学生達に質問した。「あなたたち、20年後を想像したことがありますか? 40歳頃、何をしてると思いますか?」
 だが、返事はなかった。
 次に、社会人として参加しておられる60歳前後の男性2名に訊いてみた。「もし、20年前に戻れるとすると、何をしたいですか?」
 あまりにも唐突な質問でありすぎたのであろうか、やはり回答は得られなかった。
 語学教師としての私は青年達からも初老人達からも、夢を語ってもらいたかっただけである。夢が虚妄にすぎなくてもかまわない。喋ることに意義有り。そのように私は考えているが、日本人って、人前ではしゃべらない体質が染みついているようだ。喋ろうとすると、単語を探し、文章を構成しようとする意識が連続し、脳の活性化が進むので、自然と意欲的になれるのだがなあ…。