タイシルクのスカーフ

 昨日、フランス語の授業の後、フランス語を習っているY子さんが経営している「ダブルAパニック」へ、店主の出勤に合わせて一緒について行った。店は湯島聖堂の真ん前にあるので、御茶ノ水駅を降りた後、湯島聖堂を通り抜けて行った。孔子の大きな銅像の前を通るたびにいつも孔子の声が聞こえてくるような気がする。「漢字を勉強しなさい。書道をやりなさい」、と。
 店へ行った理由は、クリスマスのプレゼント選びである。デパートで買物をするよりも、知った方のお店にお金を落とすほうがいいという考えを私は持っている。お金が<回りもの>であるならば、お互いに知った方のスキルや品物を求めたほうがいいと思う。
 ところで、私のお目当てはやはりタイシルクのスカーフであった。依然に買ったチェンマイで織られた山繭(やままゆ)のシルクがすばらしかったので、それを買いに行ったが、すでに在庫は無かった。店主曰く、「最近、山繭の生産が落ちているんですよ」
 ほかにもタイシルクがたくさん有ったが、古い織り方のものをわざと選んだ。何故ならば、いずれその技術がすたれて、この世から消えて行くかもしれないと惧れたからである。