契約書? それとも 処方箋?

昨日の「タイ語中級 土曜日14:00」のクラスを見学すると、発音の違いから生じた面白い場面が有ったので、以下に書いてみる。
 生徒のK氏はタイの不動産に関心が有る方だ。したがって、不動産関連の語彙がかなり増えてきている。授業中、タイ人講師に向かって、「ใบสัญญา 契約書」と発音したが、講師には一向に通じない。来年、タイに帰って医者になる予定のアイス先生には、K氏の発音が、「ใบสั่งยา 処方箋」に聞こえるということで、話の内容が全くかみ合わない。
 契約書は、bai-san-yaa、そして、処方箋は、bai-sang-yaa である。問題点は、日本人が不得手とする末子音の n と ng の発音だ。さらには、声調の違いが問題となった。契約書の中にある真ん中の音節である sanは上声で、処方箋の中にある真ん中の音節 sang は、低声でなければならない。
 日本人の発音に慣れた講師であれば、あまり気にせず、発音も直さないと思われるが、医者の卵であるアイス先生には、完全に処方箋と聞こえたため、K氏に向かって、丁寧に発音を直しておられた。
 あるいは、逆も考えられる。もし、病気になって、タイの医者に診てもらった時、「処方箋をお願いします」と言いたいのに、「契約書をお願いします」と間違って発音するならば、タイの医者は、「この患者、どこかおかしい?」と首を傾げることであろう。