女子大学生 と タイ人との御縁

2年前に大学でタイ語を受講した女子学生N子さんは、母方の祖父がタイ人であった。その祖父にあたる方とは40年前に面識が有ったので、N子さんを教えながら、とても不思議なご縁を感じた。
 ところが、N子さんはアメリカへ留学することになり、数ヶ月で彼女とはさよならすることになってしまった。
 やがて1年半が経過し、N子さんは私の授業を聴講したいと言って、再び、私の前に現れた。アメリカでの留学生活が大変に満足行くものであったことは、彼女の表情から見て取れた。
 授業中に学生の一人が私に質問した。「タイ人も南アメリカへ移民で行ってますか?」 それに対して、私は答えた。「タイは自然が豊かで、食べるものに困らないから、わざわざ遠い南アメリカへ移民で行く必要は無いと思います。ですから、あまりいないと思います」
 すると、N子さんが次なる話を始めた。「アメリカに留学中、カナダのバンクーバーへホームステイに行ったのですが、ホスト・ファミリーが偶然にもタイ人でした」
 それを聞いて、私は4分の1(クォーター)のタイ人の血を持つN子さんと、ホスト・ファミリーのタイ人とがバンクーバーで出会った御縁について考えた。タイ人も、長い時間をかけて、積極的に世界に出て行っていることがわかった。