糠に釘 豆腐に鎹

昨日、泰日文化倶楽部の最高齢の生徒さんであるS氏(81歳)がタイ語の作文を書いて来られた。「豆腐に釘を打つ」という文章を読み上げたが、タイ人講師にはそれが何のことだか、さっぱりわからない。S氏は補足した。「日本のことわざで、糠に釘、豆腐に鎹(かすがい)というのが有りますが、タイ人には糠の意味が分からないと思って、豆腐に釘と言い換えてみました」
 しかし、タイ人講師はますます分からないという顔をしている。そこで、私が助け舟を出して、そのことわざの意味を説明すると、しばらく考えてから、彼女は言った。「ああ、タイにも同じような格言が有ります。川にナム・プリックを溶かす ละลายน้ำพริกในแม่น้ำ と言います」、と。
 格言は直訳しても、タイ人には通じない。その意味するところをよく汲み取って、タイの文化、生活に密着した単語や表現を使って、比喩(直喩 または 暗喩)に徹しなければならない。