昨日、タイ人に漢字を教えていると、「野」という漢字が出てきた。「野原」「野菜」「野性」、等々。この漢字は、「の」と読んだり、「や」と読んだりするので、外国人にはまぎらわしいことであろう。
「野原」とか、「飯野」の如く、「の」と読むと、小規模的で、なんだか落ち着いた気分になれる。しかし、「荒野」とか、「広野」のように、「や」と読むと、いかにもワイルドである。
この感触から言うと、「野球」もワイルドであり、アウトドアのスポーツである。今はドーム型の球場が主流になっているが、少年達がどこまでも白球を追いかける姿は実にさわやかである。
イチローが「日米通算4000安打」を達成した。その瞬間を今しがたテレビ中継で見たが、彼の表情はいつもの如くであった。通過点に過ぎないのであろう。野原で球を打った少年時代の彼、まだまだ遥かなる精神世界の広野に向かって行くのは誰しも疑いようがない。