桜と緑

 3月25日、「アジア女性のための生け花クラス」を実施した。花材は吉野桜と鳴子百合。生けるポイントは桜の枝選び。ついつい桜の花にばかり目が行くが、この日の主役は枝そのものであった。淡いピンクの花びらはどこかかよわい雰囲気を醸し出すものの、そこに鳴子百合の葉を添えると、花が生き生きとしてきた。緑は大事。それを学んだ。
 ところで、月に1回、泰日文化倶楽部で開催している生け花クラスに参加している衣装デザイナーの斎藤ヒロスミさんが、3月19日に放映されたTBS番組の『情熱大陸』に出演。華道講師も一緒に数分だけ出られた。
 それを見た新宿区在住の女性がさっそく電話をかけて来た。「生け花を習いたいです!」 テレビの反響は大きい。

人偏の漢字

 昨日のタイ語作文で「人偏の漢字」を取り上げたが、一番書きたかった「信」を忘れていた。「信」=「人+言」から構成されている。WBCの栗山監督が全部の選手達を信じていたということが大いに話題になっているが、それは人間関係に於いて最も大切なことである。それには言葉の裏付けが皆無だ。
 ひるがえって考えれば、「何」も人偏であった。「何」=「人+可」から成り立っている。単なる疑問詞だと思って、無意識に使っているが、よくよく考えると、なんと「可」は「可能」に通じるではないか。
 「何?」、「何だろう?」、「何から来るものか?」と常に疑問をもって暮らせば、可能性が向上するような気がして来た。

今日のタイ語作文

1.「休(やすむ)」という漢字は「人」+「木」で構成されている。

2.「体(からだ)」という漢字は「人」+「本(もと)」で構成されている。

3.「仕(つかえる)」という漢字は「人」+「士(さむらい)」で構成されている。

4.「働(はたらく)」という漢字は「人」+「動(うごく)」で構成されている。

5.「使(つかう)」という漢字は「人」+「吏(役人)」で構成されている。

6.「便(都合がいい)」という漢字は「人」+「更(さらに)」で構成されている。

7.「仙(仙人)という漢字は「人」+「山」で構成されている。

8.「仲(なか)」という漢字は「人」と「中」で構成されている。

9.「仇(あだ)」という漢字は「人」と「九」で構成されている。

10.「侍(さむらい)」という漢字は「人」+「寺」で構成されている。

紫外線

 <紫外線>をタイ語で何と言うのか調べてみると、3語ほど書いてあった。

1.รังสีอัลตราไวโอเลต = これは英語の ultra-violet rays から訳したものだ。
2.รังสีเหนือม่วง
3.แสงยูวี = UV

 しかし、昨日、仕事で会ったタイ人は違うことを言っていた。そこでタイ人講師に「一番、頻繁に使われている単語はどれですか?」と尋ねると、「UV」というごくごく単純な回答が有った。
 そこで考えた。というか迷った。科学的な単語はタイ人には通じにくい。それに、英語の「ultra」 をタイ人は「อัลตรา アントラー」と読むから、余計にわかりにくくなる。

サー・イコー

 出陣の前に円陣を組むのはいいことだ。士気が上がるからだ。東京ドームで行われたWBCの韓国戦の時、ヌートバー選手がダッグアウト(dugout)前の円陣で、日本人選手達に向かって、「サー・イコー」と檄を飛ばした。私にはそれが「最高!」と聞こえた。
 ところが、ダルビッシュ選手や大谷選手が選手控室で飛ばした檄は「さー、行こう!」であった。
 そこであらためてヌートバー選手の発音を考えた。「サー・イコー(最高)!」は、「サー・イコー!(さー、行こう!」であったのだ。
 いずれにせよ、ヌートバー選手の短い言葉には心がこもっていた。そして、彼の表情やジェスチャーがそれを十二分に表していた。日本人母から知らず知らずのうちに日本人の素養を植えつけられているにちがいない。

今日の翻訳

 『เกร็ดโบราณคดีประเพณีไทย』(ส.พลายน้อย著 รวมสาส์น刊 พ.ศ.๒๕๓๔)の「เพลงสรรเสริญพระบารมี」から出題する。

1.เพลงสรรเสริญพระบารมี เป็นเพลงที่สำคัญยิ่งเพลงหนึ่งของไทย

2.และมีกำเนิดตำนานการเปลี่ยนแปลงที่น่าสนใจมาก

3.และมีนักเรียนนักศึกษาพากันสอบถามอยู่เสมอ

4.แต่ยังเป็นเรื่องที่ยังไม่มีใครรวบรวมไว้ให้เป็นหมวดหมู่ยากแก่การค้นหามาอ่าน

5.เพื่อความสะดวกในการค้นคว้า ผู้เขียนจึงพยายามรวบรวมหลักฐานจากที่ต่างๆ มาเรียบเรียงไว้ในที่เดียวกัน

無用の用

 日々、世の中の動きが加速化している。もうついて行きたくない。『生き上手 死に上手』(遠藤周作 文春文庫 1994年)の中に、「本当に役に立つことは眼にみえぬことのなかに在る」という題のエッセーが有る。共鳴した部分を抜粋し、参考までに箇条書きさせていただく。
1)戦後の日本人に一番ふかく根ざした考えかたは一種のプラグマチズム的な考えで、すぐ役にたつか、役にたたぬかという実用主義、機能主義の発想である。
2)しかし、『韓非子』はこういう発想法をいけないと言っているのだ。「用は知るべからざるに在り」
3)つまり、本当に役に立つことは眼にみえぬことのなかに在る。言いかえると目先の事に本当の大用はありませんと教えているのである。
4)目先に役にたつことを追いかけるのは文明であって文化ではない。東京には文明はあるが文化が乏しいのはそのためだ。
5)これは何も都市の問題だけではない。我々の人生にとっても同じことがいえる。さしあたって役にも立たぬことの集積が人生をつくるが、すぐに役にたつことは生活しかつくらない。生活があって人生のない一生ほどわびしいものはない。

卒業式

 昨日、台東区へ仕事に行った。昼食後、墨田川へ散歩。途中、浅草中学校の前を通ると、卒業式を終えた生徒達が校庭で記念撮影をしていた。もうすぐみんな高校生。頑張れ!
 仕事を終えて家の近くまで戻って来たら、袴姿の女子大生達が目白駅へと歩いていた。日本女子大学の卒業式が有ったのだ。社会に飛び立つ彼女達に心の中でエールを送る。
 よく言われるように、卒業は終わりではない。始まりでもある。気持ち新たに次なるステージを目指すことができれば幸いなり。
 2年半前に72歳で引退された知人がまた仕事を始めるということで、地方から上京して来られた。もうすぐ後期高齢者の仲間入りをする彼はまたまた働く意欲に燃えている。彼の強い決意に私はびっくり。スタートアップに年齢は関係ないようだ。

今日のタイ語作文

1.3月19日23時、TBSの番組「情熱大陸」に齋藤ヒロスミさんが登場した。

2.彼は衣装デザイナーとして、日本人歌手のステージ衣装をたくさん手がけている。

3.東京パラリンピックの閉会式の衣装も担当した。

4.彼は中学時代から生け花を習っている。

5.彼の華道講師が月に一度、泰日文化倶楽部で生け花教室を開催しているので、その時には彼もやって来て、手際よく花を生ける。

6.将来、彼が日本を代表する国際的デザイナーになる可能性は大である。

氷雨と値上げ

 昨日は朝から冷たい雨が降った。氷雨(ひさめ)だ。外気は摂氏9度。久々の降雨はこれから満開を迎える桜には美味しい御馳走となったことであろう。
 ところで値上げラッシュの最中、昨日から電車賃が値上がりした。ホームドアの設置維持費を捻出するためと言われれば致し方ないが、それにしても痛い。
 私が上京したのは1965年。その時の国電は初乗りが10円。はっきりと覚えている。それが今や150円。15倍だ。喫茶店のコーヒーが30円だったから、それを15倍すると450円。しかし、昨日、ルノワールで飲んだブレンドは670円だった。
 値上げラッシュと氷雨に泣きながら家路についた。