昨日は大学時代の親友の誕生日であった。卒業後、毎年、彼女の誕生日に電話をかけること、56回。だが、ここ数年は長話をしなくなった。理由は彼女が「人生の宿題」で忙しいからである。
彼女が言うところの「人生の宿題」とは、ご親族との永別を指す。3年前に未亡人になった彼女は老人ホームに入るつもりだと言った。そこで西洋史の専門書を読破するならば大賛成だと思ったが、親戚が多い彼女にはその前に人生の宿題をやりこなすことで忙しい。
「宿題」という言葉、嫌いである。自由時間を束縛するいやなやつだ。いやいややるのであれば、しないほうが精神的に良い。だが、学校の宿題はサボることができても、人生の宿題はそうもいかない。あまり深く考えないで、坦々と生きるしかないか。そうだ。それがベスト。