抹茶茶碗の行方

或る女性が抹茶茶碗をいくつか所有していた。彼女は邪魔くさいと思って共箱を全部捨ててしまった。彼女の死後、娘さんがそれを引き継いだが、茶碗は不要ということで、私の茶道講師のもとにそれらが送られて来た。

共箱が無い茶碗を茶道講師は稽古場に持って来られ、弟子達にじゃんけんをして選びなさいと言った。弟子達もすでに茶碗を所有しており、余計なものは増やしたくないと言って欲しがらなかった。

結局、どうでもいいと思っていた私のもとに茶碗が2椀、預けられた。「萩焼だから、使えば使うほど少しずつ色が変わり、味が出て来ますよ」、と茶道講師。突然に舞い込んで来た茶碗。さあ、あと何年、如何にして付き合うべきか?

今日の翻訳

『ไม่มีข่าวจากโตเกียว』(เสนีย์ เสาวพงศ์  บริษัทอมรินทร์พริ้นติ้งพับลิชชิ้ง พ.ศ.๒๔๘๘)の「ในมหานครโตเกียว」から出題する。

1.โดยเรือนิตตามารู ฉันเดินทางข้ามจากเซี่ยงไฮ้ไปถึงโกเบ  ในเช้าตรู่ของวันต้นเดือนกุมภาพันธ์ที่หมอกกำลังลงจัด  ผู้อำนวยการหนังสือพิมพ์ได้โทรเลขด่วนสั่งให้ฉันเดินทางไปโตเกียว

2.ฉันจับรถไฟด่วนโกเบ-โตเกียว  ขบวนเข้าจากสถานีซันโนมิยา  ฉันพบความอบอุ่นภายในรถชั้นสองอย่างเพียงพอ  จนไม่จำเป็นต้องใช้โอเวอร์โค้ต

3.รถคันนี้คนโดยสารไม่แน่นนัก  เก้าอี้นั่งมีความกว้างขวางขนาดสองคนจึงเป็นของฉันครองแต่ผู้เดียว

4.ในการเดินทางที่กินเวลาหลายชั่วโมง  บางครั้งทำให้รู้สึกเงียบเหงาและอยากหาเพื่อนคุย  แต่ฉันพูดภาษาญี่ปุ่นไม่ได้  และเท่าที่รู้มา  ชาวญี่ปุ่นเขาไม่ค่อยนิยมพูดภาษาต่างประเทศ

5.ดังนั้น  สุภาพบุรุษญี่ปุ่นที่นั่งอยู่ตรงหน้าจึงช่วยแก้เหงาได้  อย่างมากเพียงรับการวางสายตาของฉันไว้บนร่าง  และใบหน้าของเขาเพียงบางคราวเท่านั้น  มีคนขึ้นลงบ้างตามสถานีใหญ่ๆ  ภูมิภาคสองข้างทางรถไฟเป็นทิวทัศน์ที่งดงามมาก และไม่ซ้ำกันเลย

3安

泰日文化倶楽部が在る高田馬場には日本語学校が多い。朝も昼も、そして夕方もアジアからの学生の合間を縫って、私はどうにかこうにか歩いている。先日、テレビのニュースで報道していたが、高田馬場にはさらに中国人のための予備校がたくさん有り、「日本は安くて安全。安心して暮らせる。3安である」と中国人達は思っているそうだ。

コロナ禍から解放されたら、今度はオーバー・ツーリズム現象が発生している。観光地だけの話かと思いきや、普段の生活でもそれを実感するようになった。都バスに乗ると、外国人グループが乗って来る。回転寿司屋ではなくて、昔ながらの鮨屋に入っても、外国人はもはや日本人と同様、うちとけて板前さんと話している。

外国人にとって日本は3安かもしれないが、日本人の心は複雑だ。どんどん治安が悪くなる一方……。それををいかにして防ぐか…….。

燧ケ岳

一昨日、NHKのBS番組「日本百名山」で、燧ケ岳(福島県)と至仏山が紹介された。私の関心は尾瀬ヶ原であったが、山のナビゲーターが燧ケ岳を登りながら解説する姿がとても良かったので、頂上に達した時の気分までもが伝わってきた。

調べてみると、燧ケ岳は「2,356m。福島県の最高峰であり東北の最高峰で、これより北にはこれ以上高い山は無い。尾瀬のシンボル的な山である」と書いてあった。

私は山ガールではない。テレビの前で山の姿を見て満足しているだけだ。今回は燧ヶ岳の「燧(ひうち)」という漢字に興味を覚えた。読むことも書くことも全く無い。だが「火偏」の漢字の一つとして覚えることにした。寒さに向かう折り、「火の用心」の一助にもなる。

今日のタイ語作文

1.体力は運動と食事で向上する。

2.筋肉は運動次第で何歳になってもつく。

3.語学力は勉強次第で確実につく。

4.持続力は気力が肝心である。

5.財力は有れば有るほどいいが、普通の働き方では貯金してもたいして貯まらない。

洋服ブラシ

生徒のK氏がお亡くなりになったのは今年8月末。先日、香典返しが届いた。カタログギフトから選んだのは馬の毛が一部使われた洋服ブラシ。理由は彼が競馬をこよなく愛していたからである。

そのブラシの製造元を見ると大阪であったが、イギリスのKENT社の技術を採用していると書いてあった。そこでKENT社を調べてみると、「1777年創業、ロイヤルワラント(英国王室御用達)の指定を受ける老舗高級ブラシ&コームメーカーです」と書いてあった。

一昨日、東京に木枯らし1号が吹いた。私もすでにコートを着始めている。毎日、ブラッシングをするたびに、K氏のタイ語に対する姿勢を思い出そう。

タイからの絵はがき

教室の郵便受けを開けてみると、タイからの絵はがきが入っていた。日頃はポスティングのちらしばかりでうんざりしているので、とても嬉しかった。さらに嬉しかったことは、それが約38年前の生徒さん(K氏)からのものであったことだ。

「コロナ明けで、何年かぶりの海外としてバンコク行きを選びました。ここ1ヶ月ほどタイ語を復習しましたが、辛うじてカフェで注文するのが関の山です」と書いてあった。それは謙遜であろう。

K氏は文筆家である。彼の書く文章はいずれも味わい深い。だから、私は好きだ。日本人があまり行かない諸国を行脚しながら、彼の眼におさまった光景がその地の空気感とともに綴られていく。旅を愛し、そして人間を愛す作家だ。

今日の語彙

1.大根          2.大根役者

3.厚手のコート      4.テニスコート

5.シートベルト      6.ベルトコンベヤー

7.ソーシャルダンス    8.ソーシャル・ディスタンス

9.血液バンク      10.データバンク

11.パワハラ      12.セクハラ

13.ベア(=ベースアップ)  14.アーバン・ベア

子供の耳

昨日、元生徒さんが半年ぶりにブラッシュアップにいらした。小学1年生の娘さんが今回もついて来た。持参したぬり絵の本で一人遊びをしてくれると思いきや、ママと私の会話をしっかりと聞いており、わからない単語について、「○○って、何?」とたずねた。ママの説明はなかなかに上手であった。そんなふうにして、子供は新しい単語を身につけていくのであろう。

ぬり絵の本に全部色を塗ってしまった女の子は退屈そうにし始めた。そこで、私は『タイ文字練習帳』を渡した。その中には、鶏、卵、水牛、蛇、等々の絵が有るからだ。ついでにタイ文字の点線にしたがって線を書くことも勧めた。すると、ก ก ก กと書いた。彼女にとって、タイ文字の初体験であった。

稽古とは

「小原流盛花瓶華上達の秘訣二十個條」というのが有る。長い間、稽古をしていると、華道講師の注意事項がこの20項目から発せられているということがようやく分かって来た。特に、何度も繰り返されて指摘されることは嫌でも頭に残っている。

稽古とは、調べてみると、「本来、古(いにしえ)を稽(かんがえる)という意味で、先人の教えについて工夫、研究するということ」と書いてあった。さらに、歴史的に「稽古」には「鍛錬」という訓練的な意味や「修行」という修養的な意味があるとのこと。

スマホ時代に入り、スピード化とともに、浅く広くの風潮が蔓延している。稽古をつけてくれる師は貴重な存在だ。