泰日文化倶楽部では、現在、4名のタイ人主婦と4名のタイ人留学生がタイ語を教えている。今日は4名のタイ人留学生達の近況をご紹介したい。
①アイス先生=愛称の由来はアイスクリーム。おそらく彼女のお母様がアイスクリームが大好きだから、そのように命名されたのであろう。アイス先生はすでに夏休みをとって、目下、タイに帰省中。泰日文化倶楽部では、ここ10数年、東京医科歯科大学に留学しているタイ人にお願いしてタイ語を教えに来ていただいている。彼女も歯医者さんの卵だ。非常に理論的な頭脳の持ち主だから、男性の生徒達の評判はすこぶるいい。
②ペー先生=愛称の由来はフランス語のプペー(人形)から。バンコクに在るアジアホテルの創始者のお孫さんだ。東京海洋大学で研究を続けておられるが、今年は博士論文をまとめなくてはならないので、とても忙しそう。泰日文化倶楽部では、東京海洋大学のタイ人留学生にも長年にわたり講義を依頼している。理科系の学生はさっぱりしていて非常にいい。
③アン先生=愛称の由来は、英語の<earn 稼ぐ>。「日本人の皆さんは発音できません。ですから、アンと呼んでください」と、彼女はいう。日本のアニメーションが大好きなので、アニメーションの専門学校に通っている。昨晩、電話が有った。「就活をするので、9月まで休ませてください」、と。
④トン先生=愛称の意味は、「木」ではなくて、「元」。万事の元、始まりという意味だ。泰日文化倶楽部で唯一の男性講師である。タイでは英語教師も経験したことがあるとのことで、授業態度には熱いものが感じとれる。外資系の会社を休職して、今年4月に来日し、目下、日本語を勉強中。主に「タイ語入門」を担当していただいている。彼は8月中も授業を担当してくださるとのことなので、一安心だ。
タイの大学に留学する女子学生
昨日、上智大学で期末試験を実施した。書き終わった答案用紙を持って私のところに提出してくる学生一人一人に、私は声をかけた。「夏休みはどこへ行きますか?」、と。
ブラジルへ行く学生もいれば、スペインへ行く学生もいた。カンボジアへボランティア活動で行くという学生は今度が2度目だそうだ。
もちろん、国内旅行をする学生もいた。W子さんは沖縄出身のS子さんについて、沖縄へ遊びに行くとのこと。
そして、一番驚いたことがあった。それは、受講生22名のうち、4名の女子学生がチュラ大やタマサート大に留学すると聞いた時だ。これまでは年間1名くらいであったのに、4名とは!
今年から上智大学の交換留学生制度が充実し、非常に条件がよくなったので、希望者がたくさん出たようだ。
彼女たちはいずれも優秀である。タイ語はもちろんのこと、タイ事情や文化を会得するのは早いであろう。
国際弁護士
一昨日、或る食事会に参加した。その家の御主人は鮨職人。あいにく御主人は鮨屋の仕事があったため不在であった。しかし、奥様の話によると、彼は朝から魚市場に行ってとびきり新鮮な魚を仕入れ、刺身と鉄火巻きをつくっておいたとのこと。
ところでその食事会に、一人のアメリカ人が加わっていた。私はたまたま彼の隣りに座ったものだから、彼の日本語が一語一語、よく聞こえた。完璧であった。どうしてそんなに完璧なのか、感嘆しながら、その理由を考えてみた。
彼の職業は国際弁護士だそうだ。日本に来て14年。鉄火巻きよりも納豆巻きが大好きな44歳。やはり弁護士だから、言葉に対する食らいつきが一般人とは大いに異なる。文章の組み立ても非常に理論的であった。日本語を相当に勉強したのであろう。
食事中に、その弁護士さんの奥様から電話が入った。どうやら4歳になる坊やがパパと話をしたいらしい。息子と話す彼の日本語が非常に丁寧すぎて、私としては少々、おかしく感じられた。
いずれにせよ、外国語を習う場合は、意識と努力で、レベルを上げていく必要があることを国際弁護士から学んだ。
日本語をレベルアップしたい台湾青年
去年10月からタイ語の個人レッスンを受講している台湾青年は、最近、仕事が忙しそうだ。だが、それでもなんとか時間をみつけてはタイ語の勉強に来ている。『タイ語入門』の本が終わったので、一昨日から2冊目の本である『タイ語初級』に入った。
彼は自分で勉強するタイプだから、全く手間がかからない。「私は自分で単語を読みます。発音を直してください」という彼。『タイ語初級』の本は文型練習がすべてタイ文字に切り替わっているが、勘がいい彼はもう読めた。音がよく頭に入っているからである。
語学の勉強が大好きな彼。日本語も上手である。ところが、彼は言った。「日本語がもっと上手になりたいのです」、と。
私は答えた。「そうですね。あなたの日本語は理解できますが、まだ難解な言葉は知らないようですね。日常会話ではなくて、さらにその上を極めてください」
会社に勤めていると、静かに仕事をするだけで一日が終わる。日本語を磨く時間も機会も無い。
私は提案した。「あなたがタイ語を習いにみえた時に、20分ほど追加して、日本語を教えてさしあげます。是非ともレベルアップしてください」
高校生、タイへ留学
今年の4月から昨日まで、「タイ語入門 土曜日12:30」のクラスで勉強していたK君が、昨日をもって退会し、いよいよタイの高校へ交換留学することになった。出発は2週間後である。
学校の関係で、彼はいつも30分ばかり遅れて来ていたので、タイ人講師の授業が終わった後、私がその30分、補講をおこなってきた。
彼は17歳。若いから発音もいいし、覚えも早かった。タイ文字も読めるようになったから、全く問題なし。
タイ人講師が言った。「あなたが留学する高校は有名ですよ。男子校なのでゲイがいっぱい」 それはよく聞く話なので、私も「さわられないようにね」と、つまらない助言をした。
いずれにせよ、吸収力の旺盛な時期にタイへ留学することは貴重な体験である。以前にもタイへ留学する女子高生の面倒を見たことがあるが、その彼女は帰国後、大学に進学し、今は社会人として、アイディアあふれる仕事をしている。
K君の今後が楽しみだ。なお、彼がホームステイする家の高校生が、反対に日本に留学して来るそうだ。これぞまさしく交換留学なり!
木目込み人形師
昨日の午後、高田馬場駅から西に向かって早稲田通りを散歩した。小滝橋まで行って引き返したが、途中、閉店したとばかり思っていた毛糸屋がいつもながらに店を開けていた。中に入ってみたところ、おばさんではなくて、おじさんが店番をしていた。前回もそこでレース編みのベストを買ったことがあるので、今回も何か買おうと思った。
店主は不愛想に言った。「うちは新しい糸の宣伝をするために作品を展示していますから、編んだものを売る目的で飾っているわけではありません」
しかし、2坪ほどの狭いところで御商売を持続させるということは、並大抵の精神力が無いとそうは続くはずがない。店内を見渡すと、毛糸が半分を占めていたが、あと半分は木目込み人形の原型がたくさん置かれていた。
「木目込み人形ですか。素敵ですね。お作りになられるのですか」と私が尋ねると、店主はさきほどとはうって変わって、ものすごく乗ってきた。そして、ある一つの人形を箱から大事そうに出してきた。
「この着物の布はどうしても使ってくださいと頼まれたものです」と言いながら、人形の顔を覆っていた紙をとると、初老の女性が現れた。小太りの人形だったので、まるで私かと思った。
俳優になってもいいくらいの風貌を持った店主は木目込み人形師であった。仕事に対する愛着が彼から感じ取れた。
K氏のみやげ話
タイが大好きなK氏がクラスメート達と一緒にタイへ旅行した。彼は面白いみやげ話を聞かせてくださった。
中華航空で行かれたそうだが、帰路、台北を飛び立った後、しばらくして急病人が出たために、飛行機は台北に引き換えし、その夜は中華航空の指示により、台北のホテルに泊まることになったそうである。
ところが、そのホテルは室内での喫煙を禁じていたために、タバコが大好きなK氏は1時間毎に喫煙が可能な場所まで往復した。そのうち、同じく喫煙している外国人がタイ人であることがわかったので、「クン ペン コンタイ チャイ マイ?」とタイ語で話しかけ、相手が「チャイ クラップ」と答えたところで、タイ語による会話が展開していったとのこと。
その話を聞いて、私はとても面白いと思った。タイ語を習っていると、タイだけではなくて、思いもしないひょんな場所でもタイ語が使えて、全く退屈することがない。
8月の新規クラス
このところ、見学者が有る。ある一人の方は、見学後、「木曜日の午後5時半からタイ語入門クラスを開講してください」と、強く要望した。
それに対して、私はこう答えた。「そうですね…..。しかし、午後5時半から7時という時間帯にタイ語を習いに来ることができる方は滅多にいません。何故ならば、会社の退勤時間ですからね」
しかし、彼女はその夜、メールを送ってこられ、どうしても午後5時時半から習いたいと熱く書いていた。「しばらくお待ちください。何とかして生徒さんを集めるようにしてみますから。ただし、3名集まらないと、開講はできません」と、私は返信した。
昨晩、女性の見学者が有った。私はその方に木曜日の午後5時半からに参加できるか否かを尋ねると、「主人と二人で会社をやっていますから、時間のやりくりなら、どうにかつきそうです」と答えた。
よし、あと一名だ。8月7日から開講を予定しているので、まだ2週間近くある。きっと第3番目の受講希望者が出るであろう。生徒も強気なら、私も強気で頑張るしかない。
日本人はけじめをつけるのが好き
昨日で上智大学における前期の講義は終わった。残すは来週の期末試験だけだ。
5月からインフォーマントとして手伝っていただいていたタイ人講師のS先生に感謝の気持ちを表わそうと思って、授業後、食事におさそいした。
ところが、S先生はこうおっしゃられた。「日本人は何かひとつ終わると、食事とかしてけじめをつけますよね。タイ人はそうではありません。しかし、私は日本に長いので、日本人とタイ人の中間の文化で生きてます」
どうやら遠慮をしておられるようであったので、「それではお茶でもして、少しおしゃべりしませんか」と私が言うと、やっと応じてくださった。だが、昨日は四ツ谷駅周辺の喫茶店はどこも満員であった。やっと見つかった4軒目の喫茶店は煙草の煙がきつく、S先生はいやがった。結局、食事もお茶もしないまま互いに家路につくことになった。
「日本人はけじめをつけたがりますね」というS先生の言葉を復唱しながら、そうかもしれないなあと思った。タイ人は日本人と比べると、白黒をつけるようなことはなく、自然な空気の中をくったくなく生きている。タイ人の場合、冠婚葬祭と誕生パーティーは例外だが、何か一つのことが終わって、「打ち上げパーティー」とか、「反省会」とかはあまりしないような気がしてきた。
フランス料理店での英語
昨年、我が家にホームステイした太陽君が、今月からアメリカへ留学する。その途中、5泊だけ東京に立ち寄っている。
彼の高校卒業祝い、大学入学祝い、そして、19歳の誕生日のお祝いを兼ねて、彼の好きなフランス料理店で一緒に食事をした。フルコースであったため、一皿ごとに、料理の説明が有った。私には日本語で、そして、太陽君には英語で。
ところがである。太陽君は日本人の英語の発音がおかしいと言って、タイ語で私に何度も言った。「Thisu isu creamu chizuu. ジッスウ イズウ クリームウ チーズウ と聞こえます。どうして、こんな発音するの?」
私は答えた。「日本語は、単語の終りに必ず母音がつくので、英語を話す時も、this ではなくて、thisu になってしまうのよ」
私の説明を聞いても、太陽君は不思議がり、そして、クスクス笑った。
それを見て、日本人はもう少し発音に力を置かないと、国際化、国際化と言っても、外国から来た客人にはとても通用しないと思った。
