ปักหมุด(ピン止め)

先日土曜日の授業で、タクシーの運転手に止めてほしい場所を細かく指示する時、どう言えばいいかという質問が生徒さんから出た。するとタイ人講師はあっさり答えた。「ปักหมุด(ピン止め」、と。

横で聞きながら、なるほどアプリの時代だなあと思った。昔は伸ばした手を上下に振りながらタクシーを止め、タイ語で行先を書いた紙を運転手に見せた。発音が悪いととんでもない所に連れて行かれるのを懸念したからだ。だが、紙だけを見せると外国人であることがバレバレで運賃をふっかけられた。よって、それ以来、地名をタイ人らしく発音しようという意識に切り替わった。

何もかも便利になりすぎると失敗談が無くなり思い出にならない。安全であることが一番だから、最新の利便性を享受せざるを得ないものの、目的地に確実に着くか否か、ヒヤヒヤしながら道路沿いの銀行や店やネオンや看板を必死に目におさめた思い出が今では無形の宝である。