毎日、一冊ずつ本を捨てて行こうと思っているが、それが捨てるに捨てられない。チラ見のつもりが本読みになるからである。『禅語百選』(松原泰道 祥伝社 昭和60年)は小さな文庫本で、定価はわずかに¥400。目次を見ただけで内容が凝縮して深みがあることがわかる。よって捨て去ることができない。
この本の第1章のタイトルは「空(不立文字)」。この四文字を、松原導師はこう解釈する。「文字を立てないとは、煮つめていえば、師弟のいのちの触れあいが、禅の本質なのです。立は<とどまる>とも読みますから、文字が不要というのではなく、文字や言語には限界があって、それだけでは十分に表現できないものがあることを言います」
さらに某僧侶の言葉も紹介されている。「言葉を聞いたり読んで意味を考えるのではない。本来の意味をさきにつかんでから、言葉を味わえ!」と。再び、松原導師の考え。「文字を文字の字面からだけしか読めないから深く入れないのです。体験があって、はじめて真実に読めるのです」 うーん、禅語の解釈は難解だ。
