物を書くこと

『99歳一日一言』(むのたけじ著 岩波新書 2013年)の中の「一二月五日」には、次なる思いが書かれている。物を書くことの精神と気迫が示唆された文章だ。

~文を書く仕事はいのちを削りますね。死期を感じる年齢になって、それを体で知るようになった。文を書く仕事にはそれだけの重い意味があるのだな。人間の生活にまともな筋を通すために、物書き職人は欠かせないな。~

むのたけじ氏は1915年生まれ。2016年に101歳で天寿を全うされておられる。Wikipediaには「新聞『たいまつ』を創刊。農村・農業の進路、出稼ぎ問題、農民運動の在り方、地方文化やサークル活動について追及し、<自分の言葉に自分の全体重をかける>記事を書き続けた」と紹介されている。