バンコク今昔物語(9)

今回のバンコク旅行を決めたのは9月であった。したがって、元王妃の御逝去に関しては全く想定していなかった。だが、10月24日の訃報に接して以来、バンコクに行った折には是非とも王宮へ行って記帳をしたいという思いでいっぱいであった。何故ならば、2016年10月13日にラーマ9世が崩御された時、その4日後にはバンコクへ飛び、そして、王宮でタイ人に交じって記帳したからである。

私が翻訳した『王朝四代記』(ククリット・プラモート著 全5巻)は、ラーマ5世時代から始まり、ラーマ9世の時代が始まる1946年で終わっている。ラーマ9世の王妃であるシリキット王妃が御逝去されたことで、タイのひとつの時代が終わり、新たなる時代がすでに進んでいることを、今回の8年ぶりのバンコク旅行でしかと見届けることができた。