日蓮聖人(にちれんしょうにん)の忌日の法会(ほうえ)にともなう鬼子母神の御会式(おえしき)が10月16日~18日の3日間、取り行われた。見ものは17日と18日の夜、江戸時代から続く伝統の万灯練供養(まんどうれんくよう)だ。
これには日蓮宗の宗徒の各連が参加しているが、信仰に関係なく、御会式を盛り上げる老若男女も参加しているからとてもにぎやかである。提灯を持って先導する御老人の威厳。約10mの距離をおいて、纏(まとい)を振り回すいなせな若い衆が続く。その後ろは祭り姿の若者が男女を問わず跳ね回っている。
昔はもっとにぎやかだった。商店の主(あるじ)が店先に紅白の幕を張って宴会をしていた。だが、そういう光景はもう見られない。店が潰れ、主はどこかへ行ってしまった。数年前から外国人がお練りに参加したり、沿道で見物しているのが見られるようになった。そして今や彼らはすっかり溶け込んでいる。