古いプリントを整理していたら、30年前にタイ語の授業を手伝ってくれた元タイ人留学生からの手紙が見つかった。日付は1996年9月末。差し出した場所はバンコクのパヤータイ区。日本から本帰国した彼女は1ヶ月以内に、今度はドイツへ行く予定であると書いていた。
そして、手紙の最後に「ปัจฉิมลิขิต(ป.ล.)」と書き、東京の数ヵ所でタイ語を教える機会を得た感謝、及び、私の健康と幸福を祈る言葉が添えられていた。現在、彼女は50代後半。
「ปัจฉิมลิขิต (追伸)」は、ปัจฉิม(最後)+ ลิขิต(書く)からの合成語である。『タイ日辞典』(冨田竹二郎編纂)で確認していると、「ปัจฉิมโอวาท」という単語が目にとまった。意味は「仏陀の最後の教えの言葉」だそうである。「即ち、อัปปมาเทน สัมปาเทถ ぼんやりと放心することなしに、気をつけて、一切のなすべきことを実現せよ」とのこと。