投げ入れ

生け花の生け方に「投げ入れ」というのが有る。花瓶に向かって花を投げ入れるものだと、子供の頃はかってに解釈していた。だが生け花クラスに所属して生け始めると、投げ入れるどころか、枝と枝をきちんと組合さなければならないという緻密な作業が待っていた。

剣山を使って花を固定する生け方の「盛花(もりばな)」とは全く対照的な「投げ入れ」。花瓶の中で枝や花を思いのまま組み合わせることができるまでには稽古を重ねて行かなければならない。先人が造った用語である「投げ入れ」。何故、そのように命名したのであろうか? 投げやりでは済まされないだけに、不思議でならない。

ひるがえって考えてみるに、言葉の成り立ちには奥の奥の解釈が暗示されており、かつ、ひねりが含まれている。その奥の襞(ひだ)が分かるようになるのはいつか? 時々、自分で確認してみよう。