優先席でぼやき続ける若者

夜中に一仕事が有ったので、朝帰りとなった。新宿で中央線から山手線に乗り換えたが、まだ朝のラッシュは始まっておらず、悠々と優先席に座ることができた。だが、隣りに座った若者がずっとぼやき続けるのには閉口した。「教育は詐欺だ、教育は詐欺だ、教育は詐欺だ」と、新大久保駅に着くまで言い続けたのである。聞いているうちに、「そうかも」と心の中で同意する私。

新大久保駅からは、彼のぼやきのフレーズが変わった。「中学も高校もだめだ。中学も高校もだめだ。中学も高校もだめだ……..」それを聞きながら、高田馬場駅から目白駅はどんなぼやきになるのか、楽しみに待つことにした。

高田馬場駅から目白駅は、「それは全く良くない。それは全く良くない。それは全く良くない」に変わった。臨席のぼやきの若者は学校で相当にいやな思いをしたに違いない。だんだん彼が気の毒に思えて来た。目白で電車を降りると、いつもの朝の通勤・通学風景があった。小学生は可愛い。彼らがすくすくと育ち、どうか傷つかない学校生活を送ってほしいと願った。