『王朝四代記」の電子化

2025年10月24日、私の郵便受けに一通の封書が届いた。勁草書房という出版社からのものであった。40数年前に『王朝四代記』を翻訳出版する際、お世話になったところだ。パーティーへのご招待かと思いきや、開封してみると、意外な内容であった。

~ 弊社ではかつて井村文化事業社で刊行していた「東南アジアブックス」の電子書籍化を企画しています。そこで、電子書籍化に必要な著作権者の許諾を得るため、翻訳著作権者の確認および追跡を行っています。<以下省略> ~

当時、東南アジア関係の本はあまり売れなかった。私の翻訳本(全5巻)も初版の2千部どまり。購入してくれたのは図書館くらいだ。絶版になっているため、もう遠い昔の話としてあきらめていた。だが、シリキット元王妃が御逝去されたその日に、奇しくも『王朝四代記』が電子書籍化される報せを受けて、不思議な御縁を覚える。