ルサンチマン

昨日、某書を読んでいたら、「ルサンチマン」という言葉が出て来た。ネットで調べると、「フランス語のressentimentで、心理学用語として、<恨み>、<嫉妬>、<劣等感>などを意味する。ニーチェが好んで用いた」と書いてあった。英文科出身の私はアルファベット表記を見た後、英語の「resentment リゼントメント 憤り」と関連性があることがすぐに類推できたが、カタカナ表記の「ルサンチマン」だけでは、その深い心理学的・哲学的な意味がピンと来なかった。

明治以降、多くの日本人はヨーロッパに目を向けた。故にドイツ語やフランス語から多くの思想を学ぶことができた。現代はグローバルな時代だ。どこの国の言葉でも学ぼうと思えば学べる。一つの言語に固執するのではなくて、もう少しアンテナを増やして外国語を学び、単語を通して、または文法を通して、その国の人々が持つ思想や思考回路を知るのは決して無駄なことではない。

廃品自転車

最近、日本で集めた廃品がコンテナに積まれてタイへ送られ、現地で待つタイ人業者が手際よく売りさばいているそうだが、タイ人がそれらを歓迎しているのであれば、タイへ渡った品物も本望であろう。何故なら、解体されたり、焼却されずにすんだから…..。

昨日、木曜日クラスの生徒さんから傑作な話を聞いた。彼女がアユタヤへ行った時、自転車を借りた。その自転車には最初の持ち主の住所と名前がそのまま貼り付けられていたが、何と、彼女のご近所さんのものであったとのこと。不思議な気持ちになったそうだ。

日本のバス、列車、その他の品々も、アジアへ送られると、漢字で書かれた社名等がそのままの状態で使われている。現地の人達にとってはそれもデザインであり、何よりも日本製という大きな宣伝になっているわけだ。

今日のタイ語作文

1.長年のタイの友人とよく話す話題は何ですか?

2.やはり旅行、料理、買物に関する話が多いですね。

3.裕福なタイ人はしょっちゅう海外へ出かけます。

4.収入と休みが少ない日本人から見ると、羨ましい限りです。

5.一概には言えませんが、タイ人のほうが人生をエンジョイしてます。

タイ語の古本

先日、某所に在るBookOffに寄ってみた。もしかして買いたいと思っていた経済学者の本が有るかもしれないと期待したが、ダメであった。そろそろ帰ろうかと思っている矢先、タイ語の本が10冊ばかり目にとまった。これらを売却した人はおそらくタイ語の勉強をやめたのであろう。そう思った。私が関わった本も有った。110円の値段に我ながら苦笑した。

「もうタイ語の勉強はやめたので」と言って、私のところにタイ語の本をたくさん送って来られた元生徒がいた。私は淡々として受け取り、送り返すことはしていない。或る時、タイ語の勉強に夢中になった思い出、それを心のどこかにしまっておいてくれさえすればいい。

ひなあられ

昨日は3月3日で桃の節句。桃には邪気を払う意味が有るそうだ。そして、3色の菱餅には、桃色(=魔除け)、白色(=清浄)、緑色(=健康)の願いが込められているとのこと。一方、ひなあられの場合は、さらに黄色(=豊饒)が加わり、4色。即ち、日本の四季を表しているそう…….。あられとはいえ、意味が深い。

元タイ人講師であるピカピカ先生のお母様と、もう6年間、私は毎日、ライン交換をしている。タイでは曜日によって色が決まっているので、1週間分として7色を用意しておかなければならない。実を言うと、青や紫の素材を見つけるのにはかなり苦労している。

ところで、長い間、本棚の中に仕舞い込んでいたベンチャロン(เบญจรงค์ 5色)焼きの壺を出してみた。そして、先月、「アジア女性のための生け花教室」で生けた桃と菜の花を挿した。しばらくすると、仕事がたくさん舞い込んで来た。春だ!

今日の語彙

1.正直       2.正解

3.正体       4.正味

5.正式       6.正面

7.正常化      8.適正

9.修正      10.不正

11.非正規    12.品行方正

バンコク元特派員

『百歳以前』(徳岡孝夫・土井荘平 文藝春秋刊 2021年)を読んだ。ベトナム戦争の頃、毎日新聞特派員としてバンコクに駐在していた徳岡氏(95歳)のことが知りたかったからである。当時のタイについて彼はこう書いている。

「東南アジアにおけるアメリカ側の中心であるタイは、米国の甚だ頼りない友軍で、軍事政権が財政と軍事を握り、完全に腐敗した政府を押しのけて、力にものを言わせ、一応国内を治めている。少し危ないが、国王のカリスマで治めて無事にすごしている。そんな状態だった」

徳岡氏の東南アジアに於ける取材体験談はとにかく面白かった。さらに驚いた点が有る。それは彼が新聞記者として駆け出しの頃、高松支局に勤務し、紫雲丸沈没事件(昭和30年5月1日)を取材していることであった。その時、私は小学校3年生。重苦しい空気感を今でも覚えている。

国立映画アーカイブ

新潟在住の親友から、「国立映画アーカイブでポーランドの映画監督アンジェイ・ワイダの展示会が開催されているので、一緒に行きましょう」と誘われたので、昨日、京橋に在る国立映画アーカイブへ出かけた。観に来ている人が数人だったので、とてもゆったりとした時間が過ごせた。

親友は東京に3時間だけいて、すぐに新潟へとんぼ返りした。東京駅で別れる前に彼女は言った。「東京に住んでいたら、毎日、国立映画アーカイブに行くわ。他の友人も誘ったけれど、誰もそんなところ、知らないと言って断られたのよ」

確かに東京には興奮するものが何でも有る。絵画展やコンサートへ行こうと思えば、毎日、お出かけだ。だが、いつでも行けるということが逆に出不精になっている。八重洲や京橋の新しいビル群の中を歩くだけでも刺激を受けた。

今日の翻訳

タイ国語教科書(小学3年生向け 仏暦2535年)から出題する。

๑. วันเสาร์และวันอาทิตย์ ทางโรงเรียนจัดให้ลูกเสือมีกิจกรรมต่างๆ

๒. ลูกเสือสามัญให้เดินทางไกลและอยู่ค่ายพักแรมที่ตำบลใกล้ๆ ซึ่งห่างจากโรงเรียนไปทางทิศใต้ประมาณแปดกิโลเมตร

๓. ครูแบ่งลูกเสือสามัญเป็นหมู่ๆ มีชื่อและธงประจำทุกหมู่ ชื่อเหล่านี้เป็นชื่อสัตว์ เช่น หมู่นกอินทรีก็มีธงเป็นรูปนกอินทรี

๔. เวลาเดินทาง ลูกเสือจะเดินเป็นหมู่ ทุกคนสะพายกระติกน้ำและย่ามใส่ของใช้ส่วนตัว

๕. ลูกเสือมีไม้พลองประจำตัวทุกคนและเวลาเดินทางไกลต้องถือไปด้วย

大往生

昨夜、食事後、ラインチェックをすると、生徒のM氏から、「父が101歳で亡くなりました。葬儀等で1週間、山口へ帰りますので授業は休みます」という知らせが有った。M氏が所属する月曜クラスの皆さんとは月1回の割合で、さかえ通りに在る居酒屋清龍でいろいろな話をしているので、彼の父上のこともたくさん聞かされていた。100歳まで矍鑠(かくしゃく)としておられ、総理大臣から100歳の賞状もいただいた方だ。大往生である。

東京には地方からの出身者が多い。従って、泰日文化倶楽部の生徒達も多県にわたっている。皆、高齢の親をかかえており、いざという時のことを思うと心配でならない。見舞いのため何度も帰省すれば出費も大変。だが、それも親孝行なり。