錦秋の女神 竜田姫

今月の茶道教室で使った茶杓の銘は「竜田姫」。秋をつかさどる女神を象徴する季語として有名である。調べてみると、この女神は奈良の平城京の西に生まれたとされ、竜田神社(奈良県生駒郡三郷町)に祀られている。因みに、陰陽五行説では、<西=秋>で、竜田姫は染色と裁縫を得意とするとのこと。

昨日、日本憲政史上、初めての女性総理が誕生した。「私は奈良の女」を強調する高市氏だ。果たして「令和の竜田姫」はほころんだ日本の政治をいかように色付けし、かつ、裁断・縫製してくれるのであろうか? 「竜田姫」は、多くの俳句や和歌に詠まれているが、高市氏にふさわしい一首を挙げよう。

~千早ぶる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くくる~(在原業平)

お・し・り・あ・い

一昨日、鬼子母神の御会式について書いたが、おえしき連合会が発行している『御会式新聞』の中に面白い広告を見つけた。それは医療と介護のトータルヘルスケアの白十字株式会社のもので、キャッチコピーが「お・し・り・あ・い」であった。白十字は紙おむつで有名だから、私には「お尻合い」のイメージがまず最初に浮かんだ。

~「おしり愛」は白十字のコミュニケーションの原点です。医療・介護のトータルヘルスケアの領域から始まる新しい出会いを人に愛される製品やサービスの向上に活かしていきます。今までもこれからも、より一層の愛を持って、「お知り合い」の輪を広げてまいります。~

今や、幼児用おむつよりも大人用おむつの需要が増しているとのこと。東京オリンピック誘致に使われたあの「お・も・て・な・し」の乗りに類似しているから、この「お・し・り・あ・い」のキャッチコピーには親しみが持てる。後期高齢者が増加する一方の昨今、赤十字よりも白十字にお世話になること間違いなし。

今日の語彙

1.諦める     2.呆れる

3.暴く      4.軋轢を生じる

5. 圧巻である  6.圧倒する

7.焦る     8.色が褪せる

9.斡旋する   10.あっけらかんとした

11.厚かましい  12.阿漕(あこぎ)な商売

鬼子母神の御会式

日蓮聖人(にちれんしょうにん)の忌日の法会(ほうえ)にともなう鬼子母神の御会式(おえしき)が10月16日~18日の3日間、取り行われた。見ものは17日と18日の夜、江戸時代から続く伝統の万灯練供養(まんどうれんくよう)だ。

これには日蓮宗の宗徒の各連が参加しているが、信仰に関係なく、御会式を盛り上げる老若男女も参加しているからとてもにぎやかである。提灯を持って先導する御老人の威厳。約10mの距離をおいて、纏(まとい)を振り回すいなせな若い衆が続く。その後ろは祭り姿の若者が男女を問わず跳ね回っている。

昔はもっとにぎやかだった。商店の主(あるじ)が店先に紅白の幕を張って宴会をしていた。だが、そういう光景はもう見られない。店が潰れ、主はどこかへ行ってしまった。数年前から外国人がお練りに参加したり、沿道で見物しているのが見られるようになった。そして今や彼らはすっかり溶け込んでいる。

椿山荘

結婚式帰りの人達をたくさん見かけるようになった。そこで、個人レッスンのA子さんに「椿山荘、いいわよ。庭もきれいだし。6月には蛍が飛ぶし」と言ったら、「チンザンソウって、何ですか?」とすかさず訊き返されてしまった。「椿山荘はね、椿と山と別荘の荘の3つの漢字を書き、結婚式場で有名よ」と私。

すると、A子さんが素っ頓狂な声を上げた。「あっ、私、知ってます。でも、”つばきさんそう”と読むのだと思っていました!」 

「椿山荘はね、明治の元勲の山縣有朋が….」と言い始めると、「元勲って何ですか?」と、またしてもA子さん。最近、若い生徒達と話す時、あれあれ?と思うことが多くなった。彼女達から見ると、私の言葉が古いのだ。しかし、古くても結構。妥協は無用。

今日の翻訳

『กฎหมายค้าประเวณี』 (โดยกองวิชาการ กรมตำรวจ /พ.ศ.๒๕๓๙)の「คำนำ」から出題する。

๑. พระราชบัญญัติป้องกันและปราบปรามการค้าประเวณี พ.ศ.๒๕๓๙

๒. ต้องการช่วยเด็กอายุต่ำกว่า ๑๘ปี เอาผิดพ่อแม่ผู้ปกรองที่รู้เห็นเป็นใจ เอาผิดเที่ยว และปราบขบวนการค้าประเวณีซึ่งเป็นธุระจัดหา พ่อเล้า แมงดาให้หมดไป

๓. ผู้ค้าประเวณีจะได้ลดลง และ พ.ร.บ. มาตรการในการป้องการเยียวยาช่วยเหลือหญิงและเด็ก ไม่ว่าจะการซื้อ ขาย จำหน่าย พาหรือจัดหาบุคคลใดไปต่างประเทศเพื่อสนองความใคร่ทั้งแก่ตนเองและผู้อื่น เพื่อการอนาจาร หรือเพื่อประโยชน์อย่างอื่นอันมิชอบ รวมทั้งการตระเตรียมสมคบอันเป็นขบวนการเชื่อมโยงระหว่างประเทศ

๔. แม้จะกระทำในต่างประเทศ ก็ให้ศาลไทยมีอำนาจลงโทษการกระทำอันมีลักษณะเป็นความผิดอาญาระหว่างประเทศนั้นด้วย

เรียน / เลี้ยง

「เรียน(勉強する)」という動詞は基本動詞として、初心者なら入門段階で早めに習得する。そして使う頻度数も高い故、忘れることはない。問題はそれから先だ。

具体的に言うと、似たような発音の単語が出て来た時、生徒達は聞き分けができない。「เลี้ยง=ごちそうする、育てる、飼う」という動詞と「เรียน 勉強する」がほぼ同じに聞こえるらしい。何年も勉強しても、ヒアリング・ミスが多い。

類似した発音は他にも有る。 例)เรียง / เหรียญ / เลียน / เลี่ยน / เหลี่ยม / 、等々。一度に全部を覚えるのは無理。しかし、いずれの単語であれ、「เรียน」を覚えた時のあの身近さを喚起し、必要に応じて早く覚え、いかに確実に自分のものにしていくかが語学学習上達の秘訣である。

人生の宿題

昨日は大学時代の親友の誕生日であった。卒業後、毎年、彼女の誕生日に電話をかけること、56回。だが、ここ数年は長話をしなくなった。理由は彼女が「人生の宿題」で忙しいからである。

彼女が言うところの「人生の宿題」とは、ご親族との永別を指す。3年前に未亡人になった彼女は老人ホームに入るつもりだと言った。そこで西洋史の専門書を読破するならば大賛成だと思ったが、親戚が多い彼女にはその前に人生の宿題をやりこなすことで忙しい。

「宿題」という言葉、嫌いである。自由時間を束縛するいやなやつだ。いやいややるのであれば、しないほうが精神的に良い。だが、学校の宿題はサボることができても、人生の宿題はそうもいかない。あまり深く考えないで、坦々と生きるしかないか。そうだ。それがベスト。

今日のタイ語作文

1.中国人は、夫婦、あるいは、仲の良い男女が一緒に梨を食べることを嫌うそうだ。

2.理由は、梨の発音の「り」が、離婚や離別に通じるからである。

3.これは独身者には全く関係ない話だ。

4.栗は縁起がいい。「勝ち栗」は戦いの勝利につながり、「栗きんとん」は黄金に喩えられる。

5.干し柿が吊るされている田舎の光景はいつ見ても郷愁をさそう。

6.葡萄はたくさんの実がつくので、子孫繁栄の象徴である。

書庫バー

昔の新聞(毎日新聞夕刊 2006.3.9)の切り抜きがひょっこり出て来た。「私がやってます」というコラムに、書庫バーを開い平石広美氏のことが紹介されていた。

「街の喫茶店が次々につぶれていく。コーヒーチェーン店ではどこか落ち着かない。『私たちの世代がゆったりとくつろげる空間がほしかった。その夢が”書庫バー″となって結実した。』 東京・四谷のバーのドアを開けると、3階の天井まで吹き抜けとなった壁に本がぎっしりと並ぶ。その数約5000冊。平石さんがせっせと集めた蔵書だ」

この記事から推察するに、約20数年前からすでに落ち着いた喫茶店は消滅の一途をたどっていたということだ。「書庫バー」で検索すると、平石氏では検出できなかった。だが彼の店を承継したとおぼしき書庫バーが見つかった。そして都内には他の店も数軒…….。従って特に珍しくはない。とはいうものの、開店当時の平石氏の心意気を大いに貴びたい。