容喙(ようかい)

司馬遼太郎の本(『歴史のなかの邂逅 8』中公文庫 2011年)を読み進むと、「権力の神聖装飾」という章の中で、山県有朋が「宮内省に容喙し、いままでの儀典を再検討させ、重厚さと神秘性をもりあげたあたらしい方式に変えさせた」という文章が有った。

司馬氏の漢字使いは難解なものが多い。上述の「容喙」もなかなか馴染めない語彙だ。調べてみると、「容(入れる)+ 喙(くちばし)」で、「口出しする」、「口をはさむ」という意味であった。敷衍すれば、「介入」とか、「おせっかい」という意味にも解釈できる。

ひるがえって、タイ語ではどう訳すか? 文脈によっていろいろな表現が有るので一概には言えないが、当たり障りのない訳だと、「เข้าไปยุ่ง」。他に、「สอดปาก」(差し出がましいことを言う)、「ก้าวก่าย」(干渉する)、「แทรกแซง」(介入する)、等。英語も然り。いろいろな使い分けが見られる。要は、たくさんの文章に接し、いかに語彙を増やすかが肝心なり。 

氾濫と汎濫

6月初旬に台風6号が到来。昨日の授業は休講にした。定時のニュースを聞いていると、氾濫水域に達した河川の名前が繰り返され、わが青春時代の善福寺川の名前も入っていたのでびっくり。

「氾濫」という漢字をよく見ると、ひと癖もふた癖もありそうでイメージが悪い。調べてみると、氾濫は水が溢れる場合に使われ、物が溢れる場合は「汎濫」という漢字を使うのがこれまでの習わしであったが、現在においては、水も物も、そして情報も、「氾濫」で統一されていると書いてあった。

氾濫の被害に遭ってすべての財産を失うことはつらい。水であれ、物であれ、デマであれ、自分をしっかり持って、日頃からそれらに対処する知恵と身体能力を備えておく必要が有る。それが無理なら、水の神様に命乞いをするのみだ。因みにタイ語で洪水は「น้ำท่วม」、そして、水害は「อุทกภัย」。

今日の語彙

1. 来賓挨拶     2. ラッパを吹く

3. リネン(亜麻)   4. リネン交換

5. ルーツを探す    6. 瑠璃色

7. 蓮根        8. レンタル・オフィス

9. 路肩       10. ロッブリー県

11.ロンガン    12. ロシア

ทองแผ่น

KING POWER発売の「ทองแผ่น」というお菓子をタイ土産として頂戴した。箱には王宮をバックにして、ココナツの輪切りと胡麻せんべいの絵が印刷されており、「คิง เพาเวอร์ โรล บิ๊กชีท ออริจินัล KING POWER ROLL BIG SHEET ORIGINAL」と書かれている。先日、観た劇がビスケット工場で働く労働者達のことであったので、ついタイ人労働者は大丈夫かな?、と思ってしまった。

タイのお菓子をいただくたびに、タイ文字を必ず読み、新しいタイ語表現を勉強することにしている。そこで箱をひっくり返し、裏面に書かれた広告用のフォントを読む。それを写すと以下の通りである。

“คัด คั้น เคี่ยว จนได้ น้ำกะทิ ที่ขาว ข้น หอม มัน / เอกลักษณ์ ความหอม ที่อบอวลเคียงคู่ ตำรับอาหารไทย”

因みに英語でのセールスポイントも併記されているので、英語の勉強のために写すとこうである。”Press, scrape, boil and thicken….. a meticulous process to achieve the finest coconut milk, which is the main ingredient of our crispy roll varieties. These original-flavoured rolls lend the sweet, rich and well-rounded flavour that makes every bite a true delight”

静と動

昨日、府中の森芸術劇場へ行った。大学時代の寮友が府中アカデミー合唱団に所属しており、その定期演奏会(第38回)でアルトを担当。毎年、招待券を送ってくれるので、私は都合のつく限り出かけて行く。メインの曲目はG. Rossiniの「Stabat Mater (母は立ちぬ(直訳)→悲しみの聖母(意訳)」。字幕付きであったのでよく理解できた。会場にはシスターの姿もあった。

昨日は日本ダービーが府中競馬場であったので、京王線の中は競馬新聞に見入っている男性達が多かった。当ててやろうという射幸心がむき出しであった。それはそれでよし。

合唱を「静」とみなすならば。競馬は「動」だ。人生は「静」ばかりでもないし、「動」ばかりでもない。「静なること」と「動なること」が交錯しながら時間は過ぎて行く。「動静」という漢字2字の意味をあらためて考えると、なるほど言い得て妙である。

今日の翻訳

チュラロンコーン大学ブックセンター発行(พ.ศ.๒๕๒๙)『ภาษาไทย วันละคำ』(共著10名)の中の「ร่มไม้ชายคา」から出題する。

๑. สำนวน ร่มไม้ชายคา หมายความว่า ที่พักพิง หรือ ที่พึ่งพาอาศัย

๒. ชายคา คือส่วนของหลังคาที่ยื่นออกไปจากตัวเรือน

๓. ร่มไม้ชายคา หมายถึงที่ที่อาจอาศัยหลบแดดหลบฝนได้ ที่พักพิง ที่อยู่ เช่น

๔. เธอเคยพึ่งร่มไม้ชายคาของเขา ก็ควรจะนึกถึงบุญคุณของเขาบ้าง

๕. คุณลุงเคยเอื้อเฟื้อให้ดิฉันได้อาศัยร่มไม้ชายคาเมื่อครั้งที่เข้ามาเรียนที่กรุงเทพฯ พระคุณนี้ดิฉันจะไม่ลืมเลย

演劇とAI

このところ湿度が高くて空気が重い。昨日の東京は今年一番の暑さであった。この先が思いやられる。年々、天候との闘いに体力の消耗を覚えるが、この闘いは死ぬまで続くと覚悟。生きて行くための知恵を、日々、自ら求めよう。

昨日、池袋のシアターグリーン劇場へ行き、「第三の証言」(劇団青年座第265回公演 作=椎名麟三 演出=磯村純)を観た。休憩無しの2時間もの。俳優達は皆、しっかりと演技した。そして、訴えたいものは伝わってきた。

演出家は言う。「この先、多くのものがAIにとって代わられるであろう。だが、演劇だけはそうはいかない。生身で勝負。従って、必ずや生き残る」、と。長い長い下積み生活を経て社会に対して問い続ける演劇人。肝心なのは金銭面の問題だけ。それさえ何とか対処できれば未来は有る。

折りたたみ櫛

先日、電車の中で立っている女性が折りたたみ櫛を出して前髪をとかし始めた。真ん中の要のところに小さな鏡がついており、出来栄えをじっと見入っている。その折りたたみ櫛だが結構、鋭利な感じであった。車中だから手櫛で我慢しておけばよいのに…….。

昨日の木曜日13:30の初心者クラスは「タイ語でxxは何と言いますか?」という文型練習をした。その際、生徒さんの一人が「折りたたみ傘は何と言いますか?」と尋ねた。タイ人講師は「ร่มพับ」と答え、板書した。そして、さらに、「折りたたみ櫛はหวีพับと言いますよ」と付け加えたからびっくり。

พับ(折りたたむ)という動詞が出て来たので、「พับผ้า 服をたたむ」や「พับกระดาษ 折り紙」を例に挙げ、皆で発音した。何回も発音していると、情景が浮かんで来てとてもいい。語学の勉強は、2回よりも5回、5回よりも10回、何度も繰り返して発音することが大切だ。

今日のタイ語作文

区から「もの忘れチェック(認知症検診)問診票」というものが届いた。その中から一部を抜粋して出題する。

1.財布や鍵など、物を置いた場所がわからなくなることがありますか?

2.5分前に聞いた話を思い出せないことがありますか?

3.言おうとしていることがすぐに出てこないことがありますか?

4.貯金の出し入れや、家賃や公共料金の支払いは一人でできますか?

5.自分で掃除機やほうきを使って掃除ができますか?

高齢のタクシー運転手

昨日、早朝から仕事が飛び込んで来たので八王子へ行った。急ぎだったので八王子駅からタクシーに乗った。運転手さんは高齢者。「朝早くからご苦労様です」と私は彼をねぎらった。だが、反応がない。そこで一段と声のトーンを上げて、彼に訊いた。「今日は何時から何時までのお仕事ですか?」

彼はやっと答えてくれた。「私は夜は仕事しません。酔っ払いを乗せると厄介なんです。タクシーの中は汚すし、警察沙汰になることも多いからね。少し稼げればいいです。年金もあることだし」

「失礼ですが、おいくつですか?」と私はさらに訊いた。彼は無反応であった。都合が悪いことは聞かないようにしているのかもしれない。嫌な客を乗せて運転すること数十年。もういいやというふうな感じであった。