私は昆布が大好きである。小さい時から食べている。鳴門の渦潮で鍛えられたワカメも好きだが、大阪の昆布が好きだ。なかでも小倉屋山本店の「えびすめ」が…..。小倉屋と聞いただけで食が進む。
その小倉屋山本店が、作家である山崎豊子氏の実家であることを知ったのはつい最近のこと。
『山崎豊子 スペシャル・ガイドブック』(新潮社 2015年7月)の中に「船場ことば」というのが、以下の如く紹介されていた。
①標準語=見なさい大阪弁=見なはれ船場ことば=見ておみやす
②標準語=あります大阪弁=ありま(あ)船場ことば=おます
なるほど、大阪弁ともまた違うんだ。船場ことばは、「船場商人が京都御所へ出入りしているうちに取り入れたもの」だと、上記の本は説明してある。「おます」は御所の女房が使う「御居座(おいま)す」の略とのこと。御所の雅(みやび)が船場ことばの底辺にあるとは! そろばん勘定だけではなくて、環境に適応させようとする商人の言葉に対する感度が面白い。