昨日のタイ語中級クラスの授業で、生徒さんの一人から、「先生、富という漢字を書いてみてください」と言われた。そこで、言われたとおりにホワイトボードに書くと、彼の説明が始まった。
「富という漢字は、家(ウ冠)が有って、一人の人間が、食べていけるだけの米(=田んぼ)が有れば十分である、ということを意味しているんですよ」
なるほど、漢字のパーツをばらすと、そのように読めてきた。たとえ小さな家であれ、安心して眠ることができ、3食、美味しくごはんがいただければ、それ以上はもう望まなくてもいいわけだ。
「口を探す」、「働き口」、「口減らし」、等々の表現に見られる如く、「口」という漢字は、働いて食べて行くことを意味する。「田」という漢字には、4つも口が含まれている。なんと豊穣なることか。