1月12日19時半から30分間、放映されたNHK番組の正式なタイトルは忘れたが、たしか「一枚のレシピ」に近かったように思う。
夜7時のニュースが終わってすぐ、池袋の街が画面にあらわれた。一体、どんな内容かと興味を持って見ると、それは、奥さんが病死したため閉店していたパン屋さんを、御主人が仲間の励ましを受けて、再び再開したものであった。奥さんの書き残した「一枚のレシピ」には、「絶対にパンを焼いてください」と書いてあったそうだ。
奥さんはパンを焼いては、池袋のホームレスの人達に配っていたことをこの番組で初めて知った。ご自分の行為を御主人に託したのだ、「一枚のレシピ」を残すことで。
遺影の中の奥さんは本当に清く、美しかった。そして、御主人の表情も優しい。
たった一枚の紙だけれど、とても意味がある一枚だ。奥さんの意思は今後につながった。御主人と仲間の和を通して……。