昨晩、元生徒が福岡から上京して来たので、東京駅で待ち合わせ、そして丸ビルへ行った。私としてはフランス料理を考えていたが、彼はタイ料理がいいと言ったので、かの有名なマンゴー・ツリーへ。
一品の値段が普通のタイ料理店の4倍くらいしたので、何を選んでいいか面倒になってしまい、コースにした。
「私はタイに住んでいましたから、辛くしてください」と、彼が店の女性に注文した。
「タイ料理といっても創作料理ですから、辛くはありません」と、彼女は言った。
出てきたコース料理は、盛り付けも味も、まるでフランス料理の如くであった。
生徒はビア・チャーンとビア・シンを飲んだ。そして、まだ何か飲んでみたいということで、メニューを見ると、「モン・シャム」というタイの焼酎が目にとまった。飲んでみての感想は沖縄の泡盛に近いということであった。
タイ米でつくる泡盛。その製法がタイに里帰りして、ジャスミン米で造っているとのこと。名前の「モン・シャム」だが、瓶のラベルには、「มนต์สยาม」と書いてあった。訳すと、「サイアムの呪文」となる。ネットで調べると、「輝かしきタイ」という意味に訳していたが、それは違うような気がする。
いずれにせよ、丸ビル35階でいただく高級タイ料理は、まるで呪文をかけられたような不思議な料理であった。