大分旅行(5)

聞くところによると、臼杵の町は寺が多い町だそうである。観光案内のパンフレットには、こう書いてあった。
 「石畳の道や、白壁の商家、寺院が建ち並び、昔ながらの町並みを残しています。八町大路は安土桃山時代から現代まで続く歴史ある商店街です」
 その商店街は思ったよりもこじんまりとしており、全部、歩くのにそう時間はかからなかった。だが、すべて日本情緒で埋め尽くされているかと思いきや、どことなく西欧の匂いもただよってきた。「久家の大蔵」という造り酒屋の酒蔵には、ポルトガルと臼杵の交流を表わした装飾タイルの壁画があった。
 「サーラ・デ・うすき」の建物はカトリック教会の様式であり、そこには南蛮史料の展示があった。臼杵はキリシタン大名である大友宗麟が1556年頃、臼杵城を築き、明やポルトガルの商人が行き交う国際的な商業都市であったそうだ。