一昨日、或る食事会に参加した。その家の御主人は鮨職人。あいにく御主人は鮨屋の仕事があったため不在であった。しかし、奥様の話によると、彼は朝から魚市場に行ってとびきり新鮮な魚を仕入れ、刺身と鉄火巻きをつくっておいたとのこと。
ところでその食事会に、一人のアメリカ人が加わっていた。私はたまたま彼の隣りに座ったものだから、彼の日本語が一語一語、よく聞こえた。完璧であった。どうしてそんなに完璧なのか、感嘆しながら、その理由を考えてみた。
彼の職業は国際弁護士だそうだ。日本に来て14年。鉄火巻きよりも納豆巻きが大好きな44歳。やはり弁護士だから、言葉に対する食らいつきが一般人とは大いに異なる。文章の組み立ても非常に理論的であった。日本語を相当に勉強したのであろう。
食事中に、その弁護士さんの奥様から電話が入った。どうやら4歳になる坊やがパパと話をしたいらしい。息子と話す彼の日本語が非常に丁寧すぎて、私としては少々、おかしく感じられた。
いずれにせよ、外国語を習う場合は、意識と努力で、レベルを上げていく必要があることを国際弁護士から学んだ。