出船 & 入り船

今年もほぼ半分が過ぎた。来期(7月~9月)の授業料を支払って下さる方が次から次におられるが、片や、退会届を出される方もおられる。
 退会は喩えて言えば、「出船」。出船は一抹の寂しさを覚える。だが、生徒さんが新しい寄港地を目指すのであれば、大いに祝福したい。世界一周をする中で視野を広げ、また泰日文化倶楽部の港に戻って来てほしい。
 「出船」が有れば、不思議なことに、「入り船」も有る。新しい出会いは実に楽しい。港の近くでバーを経営するマダムの心境だ……。
 編物の製図の中で、目数を減らす記号として、「人」と「入」の2種類が用いられる。「人」は、2目を一緒に編むこと。しかし、「入」は、1目を反対側の編み棒に編まないままかけ、次なる目を編んだ後、かけていた前の目をかぶせて目数を減らすやり方である。
 「人」と「入」を毎日、繰り返しているうちに、「人が入る」という表現が頭に浸透してしまった。やはり、「人」は、適宜、「入る」ほうがいい。タイ語の表現で、「เข้ากัน 気が合う」というのがあるが、その直訳は、「互いに入り合う」から由来している。