茶道仲間の一人は自ら率先して茶花を生ける。花は路傍に咲いているものだ。花屋で買って来るものではない。しかも稽古場へ来る道中に見つけて手折って来るから、果たして茶花に適切な花が有るかどうか、毎回、気をもんでいるとのこと。
彼女が生けた花を私はいつも褒めて上げる。褒めてくれるのが嬉しい、と彼女。人や作品を褒めるには、まず長所を見つけなければならない。長所を見つけるには、それ相応の基準が必要だ。自分の眼識が高ければ高いほど褒め方が上手になる。
誰でも褒められると嬉しい。典型的な例は幼児だ。幼児に向かって、「よくできたね!」と手をたたくと、幼児は喜んで何度でも繰り返す。褒められたことが素直に嬉しいのである。周辺にいる身近な人達に対しても褒め上手でありたい。褒め上手になるには、まず自分の教養と眼識を高めよう。