秋のうた

『秋のうた』(うたの歳時記3 大岡信 学研発行 1985年)に、大岡氏が厳選し解説した記紀歌謡から現代詩歌までの100篇が載っているが、彼の詩「痛み」が一番、腑に落ちた。

~ 秋 ぼくは時の階段をおりてゆく 永遠の岸に腰をおろして 空をわたる人の微かな足音にききいるために そこを一つの肉体が 時間が通る <第2節・第3節 中略> 生はゆきつくことのない吊橋 揺れながら 水と空とに映えながら 愛は死の 死は愛の旗を打ち振っている ぼくらの中でそれにひそかに応えるものに応えながら ~

世の中はかまびすしい。選挙だ、インバウンドだ、緊縛強盗だ、そして、人身事故.。教室が入っているビルのエレベーターの乗り口に蛾がピタッと張り付いていた。蛾に挨拶をしたが無視された。