昨夜、「ねりま演劇を観る会」が主催した民藝の『泰山木の木の下で』を観劇した。日色ともゑさん(83歳)のおばあさん役が可愛かった。膨大な台詞に観客達のほうがついていけないくらいであった。
この『泰山木の木の下で』は、40年前に宇野重吉演出で紀伊国屋ホールで観たことがある。おばあさん役は北林谷栄さん。「日本一のおばあさん女優」である。演出が違うと劇の面白さは異なる。今回、落ち着いて観て、劇の主張は時代とともに一緒に歩みを進めることがわかった。
いずれにせよ、広島の原爆の犠牲者のことが底層をつらぬいているから、やるせない気持ちになった。同じ瀬戸内海沿岸でも香川県では原爆の話は聞かなかった。生まれ落ちるところに運命が…….。