気質と環境

『外国語上達法』(安原顕【編】メタローグ社 1994年)には、錚々たる文学者や語学者が経験に基づく名回答を披歴しておられる。その中の一人、鹿島茂(フランス文学者は「語学上達の条件は、気質と環境の問題」だと言い切る。要約するとこうである。

まず第一は気質の問題。語学の上達に必要不可欠なのは従順さ。すべてを疑ってかかる傾向の人に語学の達人はいない。

第二は環境の問題。語学の最高の環境は刑務所。反対に、語学の最大の敵は自由。やりたいことが山ほどあり、すべての事象に好奇心がむいてしまうときには、語学に神経が集中できるわけがない。外国語の学習というのは、一意専心。

泰日文化倶楽部は今日から授業を再開する。生徒の皆さん、この「気質と環境の問題」を一考しながら、年末までの4ヶ月間、精進しましょう。