先日、仕事帰りに八百屋の前を通ると、早くも店頭に置いてある品物の片づけを始めていた。最後の商品がスイカ。舟形、あるいは三日月形に切られたスイカが私を呼んでいる。「いくらですか?」と八百屋の奥さんに尋ねると、「700円」と言われた。私は躊躇した。すると、店の奥にいたご主人が「尾花沢のスイカだからね。一推しだよ。絶対にうまいから」と力強く言った。奥さんも追随。
その日は私の母(故人)の117歳の誕生日。そこで決めた。よし、買おう! 帰宅後、数時間冷やした後、食べた。なるほど、スーパーで売っている一口カットのスイカとは雲泥の差であった。八百屋のご夫婦の自慢がよくわかった。彼らは扱っている商品の味をすべて知っているプロだ。